※本記事は以前noteにて執筆したものをそのまま転載したものとなっております
元記事→https://note.com/senon_ptr/n/nc71bb5be5def
みなさんこんせの、ほしのねです。
今回はエモクロアTRPG「First Exorcism」の
アンサーソングとして制作したオリジナル曲
「Liberation」の楽曲設定、制作秘話についてつらつら語っていきます
※楽曲自体には直接的なネタバレはございませんので
安心してご視聴くださいませ。
【重要】
以下本文は、ねこずし卓様制作の
エモクロアTRPG「First Exorcism」のネタバレを含みます。
シナリオをやってから読むことを推奨します。
(プレイ動画を最後まで見た、シナリオ本編を読んだことがある、でも可。)
どうせTRPG興味ないし…と言う人も
いったんはブラウザバックをお勧めします。
何故かって…本当に良いシナリオなので…。
では…本文に参ります。
こうかいしませんね?????
【楽曲の元になったシナリオ「First Exorcism」】
https://booth.pm/ja/items/3741394
作品概要
制作コンセプト
ねこずし卓様によるエモクロアTRPG
「First Exorcism」エンドBプレイ後の残響曲(アンサーソング)。
「最終・悪魔祓い」のシーンをイメージして制作しました。
テーマはずばり「闇堕ち」です。
曲名について
曲名「Liberation」は「解放」の意。
悪魔祓い=悪魔からの解放、と、
悪魔との契約による欲望の解放、の2つの意味を併せています。
(ちなみに私の残響も、
「#呪縛からの解放」「#己が欲望の解放」の2つ。)
“liberation”という言葉自体は
「(束縛からの)解放」という意味合いが強く
どちらかというと前者のイメージの言葉で、
「欲望の解放」の意味だと「release」の方が近いようなんですね。
ですが、悪魔との契約により
「欲望が”理性から”解放された」という意味合いもこめて
あえてこの言葉を選んでいます。
それにこっちの方は、一応、ネタバレに考慮した”隠し”テーマなので…。
…っていいながら、本来のイメージはがっつりこっち側なんですけどね。
また、「Release」にすると、一般日本人の感覚からすると
悪魔を逃がしてしまうDエンドの意味合いを
強く感じてしまうのもありますし。
これはこれで意図してないネタバレ不可避。
ちなみに、Bエンドなので
「liBeration」とBを大文字にしようかなとも考えたのですが
なんかださくて違和感すごかったのでやめました。
制作過程
※作った順に紹介してるので曲の流れとあべこべになってます。
よみづらくてごめんね!
イメージ固め(サビ制作)
まずは曲の楽器構成のイメージを決めるために
サビから作り始めました。
サビのイメージは「悪魔との契約(憑依)」
ピアノとチェンバロが主な伴奏で、
それをコーラスが包み込んで、
土台にシンセドラムとシンセベースがあって
その上で弦ソロが主旋律ひいてる〜っていうイメージが頭の中にあって
まずそれを具現化させました。
構成作り(Aメロ〜Bメロ)
その後、それを元に曲の中で物語を構成。
上述の通り、サビのイメージが「悪魔との契約(憑依)」だったので、
それに至る流れをAメロBメロに。
【Aメロ】
神父=メフィストフェレス(チェロ)の誘惑に
共鳴者(ヴァイオリン)が毅然と立ち向かっていく。
【Bメロ】
共鳴者自身に悪魔の魂が流れ込む。
(鍵盤楽器のアルペジオで再現)
さらに畳みかけられ、自我で抵抗できず…
→「憑依(サビ)」へ。
後半の展開(サビ後半(転調))
で、ここまで作った後、
「もう一段階、欲望を『解放』させたい!」となり
サビ後半に転調を入れることで表現。
さらにラスサビ後半はドラムも抜いて、もうひと展開。
(たまたま間違って消したらいい感じにハマったのでこのままになった。)
ちなみに、元々は転調後のキーで全体を作っていて、
後半のキーを上げるのではなく、前半をまるっとキーを落とす形で転調を作りました。
じゃないと1番最初にイメージしたサビのイメージが崩れてしまうので…。
締め(コーダ)
で、最後。
わかる人には「ちゃんと闇落ちしました」ってわかるように…ということで
「気がついたら神父の手を取っていた」…というのを一番最後の1音で表現。
(ちなみに余談なのですが、実際に戦闘BGMとして使えるように
ループ素材バージョンも用意はしているのですが(未公開)
そっちにはこの1音が入っておりません。入らずにループします。
…だって、その音が入ると戦闘が終わっちゃうじゃないですか。)
ちなみにその前も。
コーダ部分、基本的にAメロの主旋律の再登場なのですが
ヴァイオリン側(=共鳴者サイド)の音が元と1音変わっています。
これによって「この曲を経て共鳴者に変化が起きた」ことも表現しています。
余談
…っていう感じで描写したのですが、
「”闇落ち”っていう割に明るくなってね?」
っていう感じもあると思います。
実はこれも訳がありまして、
当の共鳴者本人、「悪魔堕ち」を
めちゃくちゃポジティブに捉えているんですよ。
考えてみれば、悪魔と契約するのって
後から代償は付いてくるとは言え
契約した直後は自分の欲望を欲のままにできる、
っていうメリットの方が強く見えるわけで。
上でも少し書きましたが、
曲名「Liberation」には「”理性からの”欲望の解放」の意味を含んでいます
「もう…我慢しなくて…いいんだ…」と、
理性から解放された自分の未来に期待を馳せる。
そんな感じのイメージです。
(からの、引きで見て「あ、この人闇落ちしましたよ」って
ちゃんと示すための、あの最後の1音です。)
それに私自身、このシナリオをやっていて
「あっこれ闇落ちエンドだああああ」ってなったとき
けっこう喜んでたところあるので…。
(じゃなかったらこんな曲かいてません。)
さいごに
上述の通り、今回のテーマは「闇堕ち」。
なるだけ思い切ることを意識して制作しました。。
…というか、TRPGやるとPCだけではなく
PLである私自身も共鳴するタイプの人間。
意図的に思い切ったところもあれば、
無意識的な思い切りもある気がします。
…冷静に文章に書くと怖いですね。
https://note.com/embed/notes/n0750b07ee9d7
でも、まだまだな気がします。
まだまだ、理性が邪魔してる感じがします。
もっと突き抜けようと思えば突き抜けられるはず…。
もっと理性とっぱらって突き抜けた方が
聴く人の心に響くものができる…とは思うんですけどね。
ここ最近に作った曲たちとは比にならないくらいに
がっつり作りこんだからこそ思うこと。
今後に活かしていきたいですね。
おまけ:主な使用音源とか
・Spitfire Solo Violin/Cello(ヴァイオリン/チェロ)
・IvoryAmericanConcertD(ピアノ)
・UJAM beatmaker KANDY(電子ドラム)
・IK multimedia Sampletank4(チェンバロ、オルガン)
・Bestservice Classical Choir(コーラス)
(Complete Orchestral Collection内)
・Native Instruments TRK-01 Bass(シンセベース)
・Vengance Essential Clubsounds Vol.4(リバースシンバル/クラップ)
弦楽器はいつもはカービィリスペクトでVienna使うんですが、今回はSpitfire。
リアルで生々しい弦ソロを手軽に生み出せるつよつよ音源。
コーラスは結構高めの音をちゃんとしたコーラスの声で出したくて
総合音源含めて色々試した結果、上記の音源に。
ちなみに、作曲界隈の人でもあまり馴染みがない音源だと思うのですが
実はこれ、相当昔のサンプリングCDの音で…。
(それを使いやすく再構築されたものを持ってます)
海外のゲーム音楽ガチ勢曰く、スマブラDXとかカービィwiiとかで使われてたコーラス音源なんだとか。
それでも音源内じゃ音足りなくて無理やり上に引き延ばしました。
そして今回、今までの私にしては珍しく電子要素を。
ドラムはUJAMのKANDYを。公開曲で使ったのは初。
元々「甘く尖ったビート」を謳ってるので
こういう激しめの曲調合わないかなと思ったけど無理やりごり押しました。
ちゃんとしたトランスとか用にもう一個beatmakerシリーズ欲しいけど何がいいのかわからん。
リバースシンバルとクラップは素材集のVEC4から。
初めてCubaseのMediaBay使いました…。
…じゃあドラムもVEC4から持ってくればよかったじゃんって?
…いい音さがすのめんどくさいんよ(本音)
シンセベースはKompleteについてきてたシンセベース専用音源。
シンセ音源色々持ってるけどいいの探すのだるかったので、専用音源でシンプルに。
正直、「ぽくなればOK」なので、音作りはかなり適当です。
…以上、最後のオタク話の最後の最後まで付き合ってくださった方向けに。
久々に曲をがっつり作りこめて、
かつ私としては割と慣れてないジャンルな方だったので
作るのが苦しくもありましたがとても楽しかったです。
今現在、ちょうどChatGPTのお題消化してるというところもあるので、
まだまだいろんなことに挑戦していきたいですね。(今回の曲作りで進捗が大幅に遅れたなんていえねえ!)
それでは!